大切な娘を奪った帝釈天に終わりなき闘いを挑み続けた阿修羅は、天界の神という立場を追われ、修羅界へと追放されましたが、その後釈迦の説法を聞いて仏教に帰依し、護法善神となりました。
まるで鬼神のごとく激しい戦闘を繰り返すイメージと、「国宝 阿修羅像」に見る少年のような像容が結びつきませんが、阿修羅の三つの顔には、荒ぶる心が徐々に静まりゆく様が表されているとも言われます。
3つの面の中で最も幼く下唇を噛む子供の顔をしています。過去を省み、自分のしてきたことの重みに耐えているかのような表情です。
右面よりも少し大人になりました。唇を噛むのもやめ、憂いのある厳粛な表情です。
最も年長に見える正面の表情は、憂いを残しながらも眉間に刻まれた皺が決意を感じさせます。この先を見つめるような凛々しい表情となりました。
三面六臂という異形でありながら、この上もなく美しくまとめ上げられた造型が阿修羅像の真骨頂です。憂いを帯びた三つの表情、しなやかで繊細な全体のフォルムや、永い年月を経た乾漆像特有のひび割れなどを忠実に再現すべく、原型制作に5年もの長い時間を掛けて完成させた「イスム S-Class阿修羅」。
施された彩色は熟達した職人達が丹念に時間を掛けて仕上げたもの。中でも像の印象を左右する目は、ただ一人の職人だけが彩色を許された‛聖域‘です。イスムのこだわりによって到達した美の境地、どうぞお手許でご堪能ください。
‘S-Class’のSは「Superior=上質な・上等の」の意味。 5年もの歳月をかけて原型を完成させた阿修羅像は、少年のようでいてもの憂げな、ニュアンスに富む繊細な表情を実物そのままに再現しました。乾漆像特有の表面のひび割れも丹念に造型し、阿修羅像の持つ1300年という永い歴史を感じていただけます。 およそ50センチという大きさで迫力と臨場感を増した阿修羅像は、そのサイズ、クオリティともに「S-Class」の名に相応しいイスムの最上位ラインです。