2015年に300体限定で販売した、「TanaCOCORO[掌] 阿修羅 アンティークゴールド」の彩色を、2016年に造形をリニューアルした「TanaCOCORO[掌] 阿修羅」(現行品)にほどこし、会員様限定で50体のみ復刻販売いたします。
734(天平6)年、聖武天皇皇后 光明子が前年に没した母・橘三千代の菩提のために発願して釈迦集会の群像を造りました。二十八体(釈迦如来・両脇侍・十大弟子・羅ご羅(らごら)・梵天・帝釈天・四天王・八部衆立像)からなる群像のうち、阿修羅はその八部衆の中の一体で、現在は国宝に指定されています。
これらの群像は、当時国家的に信仰が薦められていた『金光明最勝王経』の中で釈迦が瞑想をしているところに集まっている諸尊の様子を描いたもので、この像たちは釈迦の説法を聞いている姿を写したものです。
『金光明最勝王経』の中には親へ孝行することが良いことであると記され、皇后はこの経を深く信仰し「光明子」の名もこれから採ったと言われています。
阿修羅は四天王や金剛力士等と同じ仏法の守護神ですが、この像は忿怒相とはかけ離れた切なげな表情をしています。これは造像を命じた光明皇后が亡き母を偲んでやわらかな表情に作らせたためと見られ、右面から左面、そして正面へと、徐々に成長してゆく阿修羅像の姿を見てとることができます。
3つの面の中で最も幼く下唇を噛む子供の顔をしています。
過去を省み、自分のしてきたことの重みに耐えているかのような表情です。
右面よりも少し大人になりました。
唇を噛むのもやめ、憂いのある厳粛な表情です。
最も年長に見える正面の表情は、憂いを残しながらも、眉をひそめ何か決意を感じさせます。
左面ではボンヤリしていた眼もスッキリとし、これからを見つめているような顔つきになりました。