運慶は、ミケランジェロにも比肩する歴史上最高とも評される仏師です。人と同じ肉体を持ってこそ祈りの対象になるとの信念に基づく卓越した造形力で写実的な像を生み出し、輝かしい鎌倉彫刻期を牽引しました。
その処女作とされる円成寺大日如来坐像(国宝)の台座裏には、造像に11ヵ月という異例の期間を費やしたと書かれており、運慶が入念に造り上げた事が伺えます。
東京国立博物館学芸部美術家彫刻室長などを経て、清泉女子大学文学部文化史学科教授。
特に運慶および慶派に関する著書や論文が多く、後に海外のオークションに出る像を運慶作と判断するなど実績多数。
東京芸術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室 非常勤講師および藤白彫刻研究所代表。
2017年、多宝塔から宝物館へ移動した大日如来像のかわりに多宝塔に入る模刻像を制作。
彩色作家、篁千礼彩色研究所主宰。平櫛田中の流れをくむ平野千里に師事、本格木彫仏像の彩色を二十数年にわたり修行。
仏像のほか歌舞伎・能などの古典芸能を題材とした様ざまな木彫を手掛ける。